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フランチェスコトデスキーニピッコローミニ(フランチェスコ・トデスキーニ・ピッコローミニ) ピウスサンセイの別名。
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悪魔の妹 フランドール・スカーレット No.0900 悪魔の妹 フランドール・スカーレット 属性:妖怪 吸血鬼 魔法使い 紅魔館 体力17 回避3 決死判定(3) [戦闘フェイズ]手札1 フェイズ終了時まで、 基本能力を持たない自分のスペル1枚 は「攻撃+1」を得る。 (フェイズにつき1回まで使用可能) 《「Type 紅」製品版》 「一緒に遊んでくれるのかしら?」 《「Type 萃」製品版》 「きゅっとしてドカーンね」 illustrator/ひらふみ、鳥居すみ 登場作品/東方紅魔郷 -the Embodiment of Scarlet Devil. 考察
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フランドールはいつも通り地下室で目を覚ました 「?」 部屋がやけに暗い、そう思った 地下室は普段から暗いが、今は全くと言っていいほど何も見えなかった 本当に何も見えなかった 紅魔館のメイド長十六夜咲夜は、地下室に幽閉されている主人の妹フランドール・スカーレットに食事を運んでいた 本来この役目は他のメイドが行うはずなのだが、最近は皆が怖がってやりたくないと拒否したため、やむをえず咲夜がやっている 「失礼します・・・・」 そう言って地下室の扉を開ける 「咲夜?」 地下室はいつも通りフランドールがいた 「お食事をお持ちしました、ここに置いておきますね」 「ここってどこ?わからないんだけど?」 咲夜は怪訝な顔をした。食事のトレイはフランドールの目の前に置いてある フランドールはそれに気付かず、周りをキョロキョロ見回す 「妹様の目の前ですが?」 「そうなの?よく『こんな暗いのに』ここまで持って来られたね」 咲夜は不思議に思った (暗い?地下室はいつも通りの明るさのはずだけれど・・・・・) 最初この子は自分をからかっているのかと思った だがフランドールはいたって真面目な顔をしている (まさか・・・・・・・) 「妹様、失礼します」 嫌な予感がして咲夜はフランドールに詰め寄って顔を両手で挟んで固定する 「え?なに?」 わけが分からずフランドールは混乱する 咲夜はフランドールの目を覗き込み、近くにあった蝋燭を火を彼女に目に近づける 普通なら眼球の焦点が火に合うはずである しかしフランドールの目は火の明かりに何の反応もしなかった フランドールはいつの間にか失明していた 咲夜はそのことを直ちに自分の主、レミリア・スカーレットに報告した 報告を聞いたレミリアは急いで永遠亭の薬師八意永琳を呼びつけた 永琳の診察でフランドールの失明の原因は視神経が切断していたためだと判明した その日のうちに紅魔館でフランドールに手術が施された 「フランの目は治ったの?」 たった今、手術が終了し部屋から出てきた永琳にレミリアが尋ねる 「まったく、厄介な患者よ・・・切開した瞬間から傷が閉じ始めるのよ。さすが吸血鬼。やりにくいったらありゃしないわ・・・・・」 悪態をつきながら、手術着から普段着に着替える 後ろから助手の鈴仙が手術道具一式を持って部屋から出てくる 「そう、ご苦労様。感謝するわ、報酬なんだけれど・・・・」 「いらないわ」 だが永琳に断られた 「だって、あの子の目は治っていないもの」 「なんですって?」 予想外の返答に驚く、てっきり手術は成功だと思った 「視神経は元通りに繋げたわ。でも繋いだ瞬間、視神経がずれ始めたのよ・・・・おそらく体が『視神経が離れた状態が正常な状態』だと勘違いして治してしまうのよ」 「なぜ?そんなこと有り得ないわ」 「きっと長い年月をかけて徐々に徐々に視神経がずれていったのでしょうね。外的要因で負傷したわけじゃなから、体は怪我と認識せずに治さなかったのよ」 「じゃあ、あの子、一生このままってこと?」 「それだけじゃないわ」 永琳がさらに追い討ちをかける 「切開して分かったわ、あの子聴覚もいかれ始めてる・・・このままだとあの子ヘレンケラーと同じ状態になるわよ・・・」 レミリアがわずかに動揺したのが永琳にはわかった 「私だってこんな中途半端なところで患者から手を引きたくないわ。治療法は必ず見つけるわ、だからしばらく時間をくれないかしら」 幻想郷で彼女以上の医者はいない レミリアは永琳に治療法の発見を任せた そして、その時レミリアは思った。 これは妹を教育するいい機会ではないか、と 次の日の夜 フランドールは盲目の人間が使う白い杖を持ち、その棒で足元を探りながら紅魔館の廊下を歩いていた 飛ぼうと思ったが聴覚にも障害があるため思うように飛べずなかったためやめた 昨日、手術が失敗して、自分が失明したままだと知らされ落ち込んだ その落ち込んだフランドールに姉のレミリアが紅魔館内を自由に出歩いてもかまわないと許可を出した 『ものを破壊する目』が失明し見えなくなったため、館内の物を壊す心配が格段に下がったためなのがその理由だと姉は言った この時レミリアはフランドールに永琳が治療法を探していることを『あえて』話さなかった カッカッカと杖で叩く音が廊下に響く フランドールは杖で足元を慎重に確認しながら広い紅魔館の廊下を歩いていた 「?」 何かが杖の先に当たる、障害物だとわかった。迂回して通ろうとする 「?」 また障害物に当たった。そのとなりにも障害物、またそのとなりにも障害物があるのがわかった どうやら障害物はバリケードのように横一列に並べられて道を塞いでいるらしい 「邪魔だなあ・・・・」 そう言って自分の前にある障害物を思いっきり蹴り飛ばした 目が見えないからといって力が弱まったわけではない、蹴ったものは粉々に砕けて破片が廊下の向こうまで飛び散ったのがわかった しかしバランスが上手く取れずよろけた 「よし、進もう」 そう言って一歩踏み出すと 「待ちなさい、フラン」 突然レミリアに呼び止められフランドールはビクリと体が震え、硬直した どうやら一連の出来事を見られていたらしい 「なに、お姉様?」 なんとか平静を装って返事をする レミリアは妹の動揺を感じ取り、それを鼻で笑い、話の本題に入る 「あなたが何も壊さないと思ったから館内を出歩くことを許可したのよ?なのに椅子を蹴り壊すなんて、なにごと?」 この時フランドールは自分が今蹴ったものは椅子なのだと初めてわかった 「でも、道いっぱいに広がっていて邪魔だったから・・・・・」 消え入りそうな声で弁解する 「言い訳しないで。そんなものは乗り越えるか横にどけて進みなさい。今度また何か壊したら太陽の下に一分間放り出すわよ」 そう冷たく言い放つとその場から去っていった 普段のフランドールなら間違いなくここでレミリアに飛び掛っている しかし、今は自分のほうが遥かに分が悪い そんな相手に挑むほど彼女は無謀では無かった 姉なら本当に自分を太陽の下に放り出すだろう 今の状態で太陽に下に放り出されるのは通常の何十倍の恐怖だった これからのフランドールはものを壊さずにして進む以外、この紅魔館で生きる道は無いと悟った ちなみに廊下の椅子は妖精メイド達が置いたものである 普段フランドールに怖い思いをさせられているため、そのささやかな復讐らしい 紅魔館の廊下にはいたるところにその障害物が設置されている もちろんレミリアはそのことを知っている 知っていてメイド達の嫌がらせを黙認した レミリアはフランドールを叱ったあとパチュリーのいる図書館にやってきた 「それで、妹様の目は治るの?」 「ええ、そう遠くない未来。あの薬師が治療法を見つけて。その手術であの子の目と耳は完治するわ」 レミリアにはこれから先の出来事が見えていた 「運命を操るっていうのは、本当に便利ね。でも、なぜそのことを教えてあげないの?」 「あの子のためを思ってよ」 「妹様のために・・・・・ですか?」 紅茶を運んできた小悪魔がレミリアに尋ねる 「そうよ、いくら強い力を持っていても目と耳に障害がある、今なら多分あなたでも勝てるわ」 「私が妹様に挑むなんてそんな・・・・」 手を前に突き出して否定する 「今回はあの子を教育する上で絶好の機会なのよ」 「絶好の機会?」 「そうよパチェ。今まであの子は自分より弱いものに対しても全くと言っていいほど容赦しなかった 今のフランは紅魔館で最も立場が弱い。目が治るまでの間、辛いことばかり経験するでしょうね でも力の無い者の身を実際に経験すれば、目が治ってから少しは相手に優しくなれるんじゃないかしら?」 「メイドからの嫌がらせも受けてるそうじゃない?」 「フランには今までのツケが回って来ただけのことよ。だからメイドの嫌がらせについても今回は目を瞑るわ。咲夜にもそう言ってある」 「助けてあげないんですか?」 小悪魔がおずおずと尋ねる 「あの子の態度しだいね。泣いてお願いしたら助けてあげなくも無いわ。あの子最近、私の言う事全然聞かないで少し反抗的だから」 「妹様をいじめて楽しい?」 「いじめてなんかいないは、あの子には成長してほしいだけよ」 少しムッとなって反論した 「それにものを壊さないで生活するのにいい機会なのよ」 もう用件は無いらしく、立ち上がり図書館を出て行った。 レミリアが出て行ったあと 「くくく・・・・・・あはははははははは」 急に小悪魔が腹を抱えて笑い出した 突然のことに驚くパチュリー 「なにっ!?急にどうしたの!?」 突然小悪魔が壊れてしまい驚く 「あははははは・・・・・だってお嬢様が・・・・ククククあははははははははははははははははははは」 「わかるように話しなさい。怒るわよ?」 友人を笑われていることにイラだちを隠しきれず脅すように言う それが利いたのか、ひとしきり笑い落ち着きを取り戻した小悪魔が口を開く 「失礼しました。だって可笑しくないですか?妹様が弱者の気持ちを理解できないのも、ものを破壊するのも、言う事を聞かないのも 紅魔館で孤立してるのも。全てお嬢様が妹様を地下室に閉じ込めてから今まで何もしなかったからじゃないですか? お嬢様の言い方だとまるで『フランが勝手に悪い子に育った』っていう言い方をするんですよ? それで厳しく接するのは愛情だって主張するんですから。もう可笑しくって可笑しくって・・・・・・・フフフ」 再び小悪魔は狂ったように笑い始めた パチュリーにはいつもと様子が違う小悪魔をただただ不気味に感じて、咎めることが出来なかった 長い時間、図書館に小悪魔の笑い声が響いた 朝、咲夜が朝食の準備をするために厨房に続く廊下を進んでいるとフランドールを見かけた ちょうどメイドの設置した椅子の列を乗り越えようとしているところだった 平衡感覚が狂っているため、乗り越えられず椅子ごと倒れこむ その拍子に落とした杖が床に転がる 倒れた痛みを堪えながら、転がった杖を手探りで必死に探す 杖は椅子の反対側に行ってしまったため拾うことができない そのことに気付かず見当違いな場所をなんども探している 咲夜は拾って手渡したかったが昨日の昼レミリアから『妹に手を貸すな』『メイドの嫌がらせを黙認しろ』という指示を受けたためそれは出来なかった 「ねーーー誰かーーーーー、杖さがすのてつだってーーーーーーーーーーーーー」 フランドールが大声で周囲に助けを求めた もちろん手を貸すものは居なかった 「ねーーー誰かーーーーー、杖さがすのてつだってーーーーーーーーーーーーー」 先ほどより大きな声で訴える 咲夜は耳を塞ぎながら厨房へのルートを変更した 途中、フランドールの様子を見てクスクス笑っているメイドのグループを咲夜は発見した それも黙殺するしかなかった フランドールが視力を失ってさらに数日が経った その日、紅魔館の門番、紅美鈴は門番の業務の定期報告のため珍しく館内を歩いていた そのときフランドールの姿を見つけた 美鈴のいる廊下は南側つまり日の光が入る場所である 当然、換気をするための窓がいくつもある フランドールはその窓と窓の間の壁にへばりついていた 窓からの日光が彼女を閉じ込めるように両側から差し込んでいる どうやら夜のうちにそこに迷い込んでしまい、日が出てきてその場所から動けなくなってしまったようだ つまり朝からずっとその場所でじっとしていることになる 助けだそうとフランドールに歩み寄ろうとすると 「待ちなさい」 いつのまにそこに居たのか、咲夜が美鈴を呼び止める 「咲夜さん!」 突然のことに思わず声を上げてしまう 「馬鹿、声が大きい」 フランドールが2人に気付いて顔を上げる 「美鈴?咲夜?・・・地下室までの道が分からないの・・・・教えてくれない」 咲夜が美鈴の服を掴み、小声で言う 「さっさと行くわよ美鈴」 「そんな、いくらなんでも・・・・・・・このまま放っておくなんて・・・・」 「お嬢様の命令よ、それにこれは妹様のためでもあるのよ」 そこで2人は会話を止め、音を立てないようにその場から離れた 自分達の名前を必死に何度も呼ぶ声を振り払いながら進む足取りは、ものすごく重かった またある日 フランドールは図書館の前にたどり着いた 「ここはどこ?」 「図書館ですよ、フランドール様」 応対したのは小悪魔だった 「お疲れでしょう、紅茶でも飲んでいきませんか?」 「いいの?実はのどがカラカラだったの・・・・」 小悪魔はフランドールを図書館に招き入れた 図書館にはパチュリーと小悪魔、遊びに来た魔理沙がいた 魔理沙もフランドールの事情は聞かされている 小悪魔がフランドールをテーブルまで誘導し紅茶を出す 「どうぞ」 「ありがとう・・・・・・・・・あっ!」 フランドールは誤ってティーカップを倒してしまった こぼれた紅茶がテーブルの上に広がる 「ごめんなさい・・・・・」 「気にするなフラン、なんなら私のカップ使うか?」 「そうよ、気にしないで。小悪魔、今度はちゃんと取っ手を持たせてあげるなさい」 「かしこまりました、妹様ここを持って下さい」 新しく入れなおした紅茶を今度は、一度カップの取っての部分をフランドールに触らせてから手渡した 「ありがとう」 そういって紅茶を飲もうとする 久しぶりにだれかとお話ができる それがフランドールには堪らなくうれしかった だが 「あら?目の見えない子が図書館なんかで、何をしているのかしら?」 ちょうどレミリアがやってきた その一言で紅茶を飲もうとするフランドールの手がピタリと止まる 「まさか、点字の本でも借りにきたの?殊勝な心がけね。勉強熱心な妹を持ってお姉さんうれしわ」 「帰る、ご馳走様」 「おい!フラン待てよ」 魔理沙が呼び止めるがそのまま杖を持って立ち上がる。慎重に足元を確認しながら図書館をあとにする 結局、紅茶に口をつけることは無かった レミリアはフランドールとのすれ違いざまに 「フラン、辛かったらいつでも言いなさい。すぐに『助けて』あげるから」 嘲笑するようにそう言った 姉を無視して、ゆっくりとした足取りで、けれども図書館から少しでも離れようと急ぐ フランドールが居なくなってしばらくの静寂 静寂を破ったのは魔理沙だった 「おい!!レミリア!お前どういうつもりだ!!」 魔理沙がレミリアを睨みつける このまま弾幕ごっこが始まりそうな雰囲気だった 「言ったでしょう?フランには弱者の気持ちを知る必要があるって」 「あれは言いいすぎだろ!!ただのいじめじゃないか!!」 「あの子は弱ってる時しか話を聞かないのよ。あれぐらいがちょうど良いのよ」 さも当然というようにレミリアは言い放つ 「ああそうかい!」 魔理沙は荷物をまとめ始めた 「不愉快だからもう帰らせてもらう」 「ええそうしてくれると助かるわ。今はフランにとって大事な時期だから部外者にはあまり干渉して欲しくはないの」 「頼まれたって来ないぜ!・・・・・・・・じゃあな!!」 魔理沙は本を借りるのも忘れて箒に跨り廊下の窓から出て行った 姉妹のやり取りを見ていた小悪魔の口もとが大きく吊りあがったのをパチュリーは目撃した そのあまりの不気味な笑顔は、魔理沙と一緒にレミリアを糾弾するのを忘れてしまうほど邪悪なものだった さらに数日が経つ ようやく永琳が紅魔館に訪れた 「見つかったの治療法は?」 「ええ、この方法なら上手くいくはずよ」 永琳の提案する治療法は移植手術だった フランドールの視神経を全て取り除いて、再生が始まると同時にその部分にレミリアから取り出した視神経を絡ませて無理矢理つなげて同化させるという 吸血鬼同士だから出来るなんとも強引な手段だった。しかもこの方法なら失敗してもお互い再生するので何度でも挑戦できる 同様の方法で聴覚も治せるとのことだ 「姉妹じゃなきゃ移植できないのよ。適合しなければ神経は同化しないから」 「やっぱり私のを移植するのね」 「怖いの?」 「かわいい妹のためよ、しょうがないわ」 「成功する可能性は。適合しなかったリスクを考えても98%ってところね」 「いいえ、永琳。100%よ・・・・手術をすれば確実にあの子は目は元に戻るわ」 目を閉じてレミリアは自信たっぷりに答えた 「運命を操る程度の能力ってやつかしら?なんなら道具は持ってきているあるから今すぐに出来るわよ?」 今すぐできる、つまりフランドールは今すぐ治るということである 少し思案するレミリア まだフランドールの目を治すのは早いと思った 「悪いけど1週間後にしてもらえないかしら?」 「そっちの都合に任せるわ・・・・・・・・治せる患者をすぐに治療できないのは残念だけど・・・・・・・・」 「そのかわり一回で成功させなさい。失敗したからもう一度なんて嫌よ」 手術は1週間後と決まり、永琳は帰っていった その日レミリアは夜中にふと目を覚ました 部屋から出てすぐそこにフランドールが横たわり眠っていた 「フラン、起きなさい」 妹の頬を軽く叩く 眠そうな顔でフランドールがムクリと起き上がる 「んーー?お姉様?」 「そうよ。なんで私の部屋の前の廊下であなたが寝ているの?」 「えっ?ここがそうなの?知らなかった」 「どうして地下室で寝ないの?」 「どこにあるか分からない・・・・・・・」 「あれから一度も地下室に帰ってないの?」 「うん」 あれからずっとフランドールは地下室を目指し障害物だらけの館内を彷徨い、疲れたらその場で横になって眠るという生活を送っていた 何度か朝になった時、日光で火傷したそうだ フランドールの体を見回すと服は所々汚れていた 地下室にしか着替えがないためその服を着たまま今日まで過ごしていた 少し体も臭った 「案内してあげるから来なさい」 「ありがとう、お姉様・・・・・・・」 衛生管理ぐらいはちゃんとしなければならない。そう思い レミリアはフランドールを背負い、地下室に運ぼうとした クー 背負った時、フランドールのお腹が鳴った 「もうずっとご飯食べてない・・・・・・」 「まったく呆れるわ」 「ごめんなさい・・・・・」 地下室の前に行くと、沢山の椅子で厳重にバリケードが作られていた (確かにこれじゃ、辿りつけないわね・・・・・) もしかしたらフランドールはここを何度か通ったかもしれない レミリアは妹が地下室に戻れない理由に納得した だが飛べば何の問題もなく超えられる障害である (盲目で飛べなきゃ、さすがにこれはどうしようもないわ・・・・・) 妹を背負い、椅子の山も見下ろしながらそう思った 地下室の扉を開ける ちゃんとベットメイキングされており 食事もちゃんとあった 毎日咲夜が律儀に運んでいたらしい レミリアはフランドールを着替えさせる 着替えたフランドールの前に食事のトレイを置く 「食事ここに置いておくから、自分で食べなさい。それくらい出来るでしょう?」 「はい・・・」 そういって部屋を出て行こうとする 突然後ろからクチャクチャと音がした 振り返りフランドールを見ると料理を素手で掴んで食べていた その様子は『貪る』という言葉がピッタリだった 食器の下のスプーンやフォークに気付けないのか、気付いたが上手く扱えず使用するのを放棄したのかはわからない もしかしたら空腹でそんなものを使う余裕が無かったのかもしれない 「もっと上品に食べられないの?」 食べるのに必死でその声は届いていなかった たとえ届いたとしてもフランドールの弱った聴覚では、レミリアが何と言ったか聞き取ることはできない 地下室を出るとレミリアは図書館に向かった レミリアはパチュリーに手術が決まったことを話した 「そう、それは良かったわね」 「で、それとは別にパチェにお願いしたいことがあるんだけど・・・・」 「私に?」 「正確には小悪魔になんだけど」 「え?私にですか?」 本を整理していた小悪魔が突然の名指しに驚く 「あなたにフランの生活の補助をお願いしたいのよ、食事と着替えのときだけでいいわ。咲夜も美鈴も忙しいから他に頼めるのが居ないのよ」 今日のフランドールの様子を見る限りでは、介護が必要であるのは明らかだった 「私は別に構いませんが」 「そう助かるわ」 「それぐらいならレミィがしてあげてもいいんじゃない?」 パチュリーが横槍を入れる 「フランだけに構ってあげられるほど私は暇じゃないの」 「神社に遊びに行ったり、ガラクタ屋に買い物に行くだけでしょう」 「やけに噛み付くわね、小悪魔を使われるのがそんなに嫌なの?」 パチュリーは、以前レミリアに対する小悪魔の言動を目の当たりにしている 『小悪魔をこの姉妹に関わらせてはいけない』なんとなくそんな気がした 「だいじょうぶですよ、パチュリー様、こちらの仕事もちゃんとこなしますから」 「そうよ、ちょっと借りるだけだから」 結局、2人に押しきられ小悪魔がフランの世話をすることが決定した その次の日から小悪魔は盲目のフランドールの世話を行った 着替え、食事、頼まれれば館内の散歩の付き添いをした 手術の話はレミリアが直前になって、直接知らせるとのことで、秘密にしておけとのことだ そのことはフランドールを除く紅魔館全員に伝令された その日小悪魔は地下室でフランドールの体を濡れたタオルで拭いていた 首、腕、胸、腹、翼、足と拭いていき、新しいタオルを換えて顔を拭こうとする。 顔を拭こうとして、小悪魔の手が止まる 小悪魔の目は、フランドールの失明した目に釘付けになっていた 「どうしたの?」 突然小悪魔の手が止まり、不思議に思い尋ねる 「フランドール様の目があまりにも綺麗なので、つい見とれてしまいました」 小悪魔が正直に告白する 「一分だけ視力回復させてあげますから、どうです『取引』しませんか?」 小悪魔が冗談半分に提案する 「あげないよ」 フランドールは苦笑しながら答える 「それは残念・・・・・・・」 小悪魔も苦笑する 「いいじゃないですか、もう使いものにならないんですし・・・・」 フランドールの耳に聞こえない小さな声でそう呟いた そして時間は流れ手術の前日の夜になった 明日フランドールの目と耳は治る この日も小悪魔はフランドールの散歩の付き添いをしていた フランドールの報復を恐れ、メイドたちは設置した障害物を全て片付けていた 当の被害者はその事実を知らないため仕返しなど頭の隅にも無かった 余談であるが、この数日後、何人かのメイドが白黒に吹き飛ばされたという報告を咲夜は聞いた おかげで、紅魔館の廊下は快適に歩けるようになった フランドールは小悪魔のヒジに掴まり、片方の手で持った杖で足元を叩きながら進む 杖の扱いがだんだん板についてきた、小悪魔はそう思った 「ねえ、小悪魔」 「何ですか、フランドール様?」 「私の目ってもうずっとこのままなの?」 このタイミングでその話題が出たのは全くの偶然だった フランドールは誰かにこのことをずっと訊きたいを思っていた 「お嬢様がいつか必ず治療法を見つけてくれますよ」 今の小悪魔にはそう答えるのが限界だった 「アイツがそんなことするはずない。私の目が潰れていたほうがアイツにとって都合が良いもの・・・・・」 諦めるようにそう言った 「ではご本人に直接聞いてみてはいかかがですか?」 「?」 廊下の先には偶然なのか運命なのかレミリアがいた 2人はレミリアに近づく 「お姉様」 「なにかしら、フラン?」 「その・・・・私の目って・・・・もうずっとこのまま・・・・・・なの?」 勇気を振り絞って訊いてみた それをレミリアも十分理解していた 知っていたが 「さあ?もお、ずっとそのままなんじゃない?」 全く関心が無い、そんなニュアンスで返事をした 「他に用が無いなら、もう行くわよ。これから神社で宴会なの」 そう言って去っていった それを聞きフランドールは落胆してその場に両膝をつき崩れ落ちた 実はひそかに期待していた、姉が自分を助けるために動いてくれているのではないかと それぐらいはまだ自分のことを気にかけてくれているのではないかと しかし今の言葉で自分は姉にとって何の価値もないのだとわかった レミリアは思った。手術の話をするのは明日だ、今言う事じゃない だがそれ以上に、妹を驚かせてみたいという気持ちのほうが強かった (明日、どんな顔をするか楽しみね・・・・・・・・) もちろん神社で宴会などその場で言った口からの出任せだ 「あの・・・だいじょうぶですかフランドール様」 落胆するフランドールを見て小悪魔は声をかける うつむいているため、今どんな表情をしているか小悪魔にはわからない それでも悲しい顔をしていることは容易に想像できた しばらく2人の間に沈黙が流れた 「ねえ、小悪魔・・・・『取引』してあげてもいいよ・・・・・・・」 突然フランドールはそう言った それを聞いた小悪魔は嬉しそうに口元を吊り上げた 後編へ
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【ヴィクトル・りら・フランケンシュタイン】 【作品名】夜桜四重奏 ~ヨザクラカルテット~ 【ジャンル】漫画 【名前】ヴィクトル・りら・フランケンシュタイン 【属性】手品師 【大きさ】竹箒を持った成人女性相応 【攻撃力】【特殊能力】を参照 【防御力】太さ30cmほどの木の幹を折る蹴りをくらって無傷 【素早さ】反応は1mの距離から発射された銃弾を発射後回避できるキャラと同程度 移動速度は大きさ相応、飛行速度は箒の速さと同じ 【特殊能力】様々な手品を使う 竹箒に乗って飛行する。竹箒を単体で飛ばすこともできる(箒の柄の先は刃物) 速さは同程度の反応のキャラが3mほどの距離から飛んできた箒を避けられないくらい 壁などから黒い手を無数に生やして相手を拘束する。黒い手は同程度の反応のキャラが避けられない速さで相手をつかむ 乗用車を片足で止めるキャラの身動きを完全に封じることができる 一瞬で相手を金属製のマジックボックスに首だけ外に出た状態で拘束する。思考発動。 一瞬(推測)で30mほどの剣を空中に出現させる。剣で攻撃した描写は無いが操っていたので攻撃力は大きさ相応 無数の剣(20本以上)を空中に展開し、全方向に撃つ。威力は金属板を凹ませる程度 弾速は同程度の反応のキャラがぎりぎりガードできるくらい 【長所】種も仕掛けも御座いません 【短所】明らかに手品の域を超えている 【戦法】竹箒に乗って飛んだ状態で参戦 相手が人間サイズなら初手で相手を拘束してから剣で攻撃 そうでないなら30m剣で攻撃 3スレ目 258 :格無しさん:2011/09/21(水) 23 37 01.70 ID HgYcVLiC ヴィクトル・りら・フランケンシュタイン 考察 ○中岡 拘束勝ち ×雨霧 八雲 クロック数制御負け ×カミーユ・ビダン 撃たれて負け ○飴谷 千歳~ミルドレッド・アヴァロン 拘束勝ち ×蒼月潮 反応が同じくらいだが攻撃力面で不利 ○範馬勇次郎~麦野沈利 拘束勝ち ×古代進~清河 相手のが速いので負け 古代進>ヴィクトル・りら・フランケンシュタイン>麦野沈利
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フランシスコ・J.ロンバルディをお気に入りに追加 フランシスコ・J.ロンバルディのリンク #blogsearch2 フランシスコ・J.ロンバルディとは フランシスコ・J.ロンバルディの48%はやさしさで出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの15%は成功の鍵で出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの10%は波動で出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの10%は微妙さで出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの9%は雪の結晶で出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの5%はカルシウムで出来ています。フランシスコ・J.ロンバルディの3%は純金で出来ています。 フランシスコ・J.ロンバルディ@ウィキペディア フランシスコ・J.ロンバルディ フランシスコ・J.ロンバルディの報道 gnewプラグインエラー「フランシスコ・J.ロンバルディ」は見つからないか、接続エラーです。 フランシスコ・J.ロンバルディのキャッシュ 使い方 サイト名 URL フランシスコ・J.ロンバルディの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ フランシスコ・J.ロンバルディ このページについて このページはフランシスコ・J.ロンバルディのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるフランシスコ・J.ロンバルディに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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フランドール 初期装備:ショートソード ステータス LV HP MP 攻撃 防御 命中 回避 速度 抵抗 1 60 5 19 0 95 0 105 0 99 800 5 199 0 95 0 105 0 スキルツリー全取得後のステータス LV HP MP 攻撃 防御 命中 回避 速度 抵抗 99 900 6 204 0 115 10 120 10 適正 項目 火 雷 水 光 闇 魔 斬 突 殴 攻撃 4 0 0 0 0 0 0 0 0 防御 4 0 -3 0 0 0 0 0 0 スキルツリー全取得後の適正 項目 火 雷 水 光 闇 魔 斬 突 殴 攻撃 8 0 0 0 0 0 2 2 2 防御 5 1 0 1 1 0 1 1 1 習得スキル スキル 消費MP 範囲 属性 説明 レーヴァテイン 4 全体 火 威力:大 (→大+→特大) 恋の迷路 3 全体 状態異常:魅了 スターボウブレイク 2 全体 瞬間効果:解呪 ファイヤーアロー 1 単体 火 威力:小 ファイヤーボール 1 全体 火 威力:小- デトネイト 2 単体 火 威力:中 瞬間効果:灼熱 エラプション 2 全体 火 威力:中- ディスインテグレイト 3 単体 火 威力:大 火の鳥 3 全体 火 威力:大- チャーム 1 単体 状態異常:魅了 ディスペル 1 単体 瞬間効果:解呪 ウエポンブレス 3 単体 能力変化:物理攻撃強化 スキルツリーに火属性の消費MP-1有り 火属性の魔法使い。
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C フランケン 基本情報 名前 フランケン 種族 不死 ジョブ マジシャン 召喚コスト 50 タイプ 魔械人 タイプ ミュータント ATK 120 DEF 100 PSY 30 武装 不可 血晶武装 不可 アーツ 無 アビリティ 召喚 なし 武装 なし 血晶武装 レンジダウン 射程距離が短くなる。 (血晶)武装ボーナス 状態 ATK DEF PSY 召喚 武装 血晶武装 〇 〇 DATA・フレーバーテキスト No Test 044 イラストレーター 仙田 聡 フレーバーテキスト いい……手足だね
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初投稿です。ss初心者なので多少の誤字脱字、設定の違和感等は大目に見てください。 ゆ虐/愛で注意/お姉さん/胴付きフラン/ちぇん/ 私は名もなきお姉さん。 可愛いフランとの生活を満喫している。 「フラーン!おやつ一緒に食べよー!!」 「うー!あまあまだどー!」 ペタペタと可愛らしい足音を鳴らして駆け寄ってくるのは胴付きフラン。 私が愛してやまない至高のゆっくり。 捕食種として私の大嫌いなれいむ種やまりさ種を狩ってくれる素晴らしい子だ。 冷蔵庫で冷やしておいたシュークリームを皿に出して持っていけば、わぁーい!と駆け寄ってきて 抱き着いてくる。うっほ天使・・・あっ下品。失敬失敬! 喜ぶフランをなだめて席につかせ、一緒にシュークリームを頬張る。 フランの可愛い顔を見ながら、思考に浸る。ゆっくりの出現で変わったようで、そんなに変わらなかったこの世界のことを。 数年前、日本のとある県の山中にて、人語を話す丸い物体を目にしたという通報が警察に入った。 当然イタズラ電話だと処理されたが、それからというものの、日本各地でそんな通報が相次いで警察が本格的に調査を始めることになった。そうして見つかったのが「ゆっくり」。 いつから?今までなぜ見たことがなかったのか?など、日本だけに留まらず世界中で議論、討論が行われたが、結局憶測の域を出なかった。 ならば本人たちに聞けばいい、そう思うだろう。だが「ゆっくり」はとても頭が悪かった。 話は出来るが幼児程度の知能、あるいはそれ以外で、数を覚えるのも難しいようであった。 まあそんなこんなで人類との共存を始めたゆっくりだったが、その知能の低さが問題だった。 庭先に侵入してきて勝手に「おうち宣言」したり、場合によっては窓ガラスを割って家を荒らす害ゆっくり。その筆頭がれいむ種やまりさ種など、人間を甘く見ているやつらが日本中で問題を起こして社会問題になっていた。 その対処法として提唱されたのが捕食種を家で飼い、番犬として働いてもらうというもの。 ゆっくり種と捕食種は天敵同士、「野良ゆっくりの被害を減らすために捕食種を飼いましょう」という政策は大成功。 ゆっくりショップでの捕食種の売り上げは年々上昇、ゆっくり種を含む通常種もよく売れるようになったそうだ。愛で派が三割、虐待派が七割…と、まあそんなものだろう。 私だってただ道を歩いているだけで絡んでくるゆっくりが嫌いだし、その鬱憤を晴らすために買うのも理解できる。通常種は捕食種などに比べて安価で購入しやすいし。 ちなみにこのフランはゆっくりショップで購入したわけではない。 お店に並べられるのはある程度の躾がされたものなので、品質は保証されている分値段が張るのだ。 少なくとも当時の私は学生で、飼いたくても買えなくて、毎晩外に出ては独り身のフランを探しまわった。 野良フランは夜にならないと出てこない…そんな背景があり、結局飼い始めるのに随分と時間がかかった。 「ねえフラン」 「むぐ…どうしたんだどー?」 「そのシュークリームおいしい?」 「う!すっごく美味しいんだどー!中に詰まってるクリームがゆっくりみたいでおいしいんだどー!」 「フランはゆっくりが好物だもんねぇ。・・・実はね、そのシュークリームに『ガチャンッ!!!』 ………嫌な予感…」 ベランダの方からなにかが壊れる音がした。多分花壇が倒れたかなにかで割れた音……?しかし一体なぜ? 風が強いわけでもないのに…? 「もぐもぐ…ゴクンッ、ふらんが見てくるんだど!お姉さんはゆっくりしてるんだどー!」 「いや、私も行くよ。割れてたらお片付けしないとだしね。フランにだけやらせちゃ悪いよ」 「うー…わかったど…危ないかもだから気を付けるんだどー!」 「はぁい♡」 私の方が弱いと思い込んでるフランちゃん可愛いねぇ…肉体的な強さだけが強さじゃないんだけど、 まだ早かったかなぁ…… かわいいかわいい、とニコニコしてベランダに向かうと何かが聞こえてくる。 窓ガラス越しなのでよく聞こえないが、何となく聞いたことがある気がする。この声は・・・・・・ 「フランの大好物の声だね?」 「うー。でも野良はちゃんと処理してからじゃないと食べたくないんだどー……」 「焼きまんじゅうが好きなのかと思ったらそういうことだったのねフラン… 気持ちはわかるけども」 「前は気にしてなかったんだどー…でもここに来てからはキレイなゆっくりを食べさせてくれて 食べられなくなっちゃったんどー」 なんと私のせいでナマで食べられなくなってしまったようだ。すまない。 まあ胴付きの胃が強いかもわからないし、わざわざ嫌がってるのを食べさせるのは気が引ける。 ……って、話脱線しすぎた。窓の外のゆっくりどうしよう。 ゆっくりの声は今尚聞こえてきている。ほぼ確実に私の花壇は壊されているし、どんな話をしてるのかでこの後どうするかを決めようかな。 カーテンの向こうをじっと睨みつけ、親の仇を見つけたかのような形相で今にも襲い掛かりそうな雰囲気のフランを制止し、しぃー…とジェスチャーをする。 今まで普通に話していたが、所詮は餡子脳。姿かたちが見えていなければ人間だとは判断しないのだ。 なんて素晴らしい餡子脳。 「い、いたいんだねぇぇぇ…わかる、よぉぉぉぉ……!!」 「ゆぷぷー!ゆっくりしてないちぇんが、さらにゆっくりできなくなってるよぉぉぉ! おお、ぶざまぶざま!だよぉぉぉおお!!!」 「れいみゅ!そこのゲスっをしっかりおしゃえてるのじぇぇぇぇええ!!! ゆっ!でりゅよっ!まりちゃさまのすーぱーうんうんタイムっはじまるのじぇぇぇぇ!」 「あっこれはダメだ!!いくよフラン!私たちのベランダを守るよ!」 「うーーー!!!!」 ジャッと勢いよくカーテンを開け、窓を開け放つと、今にも死にそうなボロボロな赤ちぇんと その上に乗っかかる赤れいみゅ。 そして2ゆにもるもるケツ…おしりを向けている赤まりちゃ… えっ全員赤ゆなの!!?いくらなんでも治安が悪すぎる!!! ぽかーん、とその場で静止した赤れいみゅと赤まりちゃ。 その下で苦しそうに「にぇー…」と鳴く赤ちぇんだけがその痛み、重さからなんとか 逃れようと動きもがいていた。 それにしても赤ゆだけで行動するにしては行動範囲が広くないか?このあたりに 群れはいないはずなのに。親ゆっくりの姿が確認できないのも妙だ。 「……お姉さん」 「…あ、なあにフラン」 「…この生ゴミ食べるの?」 そこかよ!と呆れる気持ちを抑えて赤ちぇんを見る。 所々の皮膚が破れているし、抉れてそうな部分もちらほら。 ゆっくりがゆっくりを殺すと「ゆっくりごろし」として群れを追われる…とか、そんな話を 聞いたことがあったんだけど、そもそもこいつらはゆっくりでも種類が違うからな。 もしかしたら種類の違う個体同士の殺し合いは問題にならないのかもしれない。 そんな風に考えていると、赤ちぇんの上で放心していた赤れいむたちが何が起きた?という様子で こちらを見上げたかと思えば、なにやらぷるぷると震えている。 「………に、」 「(お、なにか言いそう)」 「にっ……にんげんさんだぁぁぁぁぁああ!!!!!」 「ゆゆぅっ!?くちょにんげん!?どこから出てきたのぉぉおおお!?」 「………!!にぇ…にぇ……」 「おっ失礼なクソ饅頭どもだね!すり潰したい!!」 「ゆ、ゆゆっ!にんげんしゃんはちぇんを「くちょまんじゅう」って呼んだよっ! にんげんしゃんもちぇんがゆっくりしてないって思ってるんだよっ!!」 「ゆっ!?じゃあこのちぇんはにんげんしゃん”こうにんっ!”の駄ゆっくりってことなのぜぇ!?」 「にぇー………、、」 …クソ饅頭と言っても、自分たちのことだとは微塵も思っていないこの感じ…… やっぱり私嫌いだわ、野良の通常種とか。自分の非を絶対に認めない、悪いことをした自覚もない。 そのうえ善良なゆっくりとゲスの比率が3:1とかあまりにもクソ…酷すぎる。 なぜフランのような善良で常識があって可愛いゆっくりが少ないのだろう? 「お姉さん、こいつらどうするんだどー?」 「そうだねぇ。成ゆなら多少は食費の足しになるかと思ったけど、これじゃ小さすぎて おやつにもならないし。困ったなー……」 「うー…お姉さんと育てたお花もめちゃくちゃだど……、ゆるせないんだどー…」 「…………、」 この花壇で育てた花が特別高価だったとか、入手に苦労しただとか、そんな背景があるわけではない。 ただ二人で一緒に育ててきた花だったというだけ。それだけだけれど。 私たちにとってはかけがえのない思い出だったのに。 それをこんな風に踏み荒らしてぐちゃぐちゃにされて。到底許すことはできない。 「…こいつらのことを許すつもりはないよ。とことん地獄を見せて後悔させてやらなきゃ」 ”にんげんさん公認”という免罪符を得た子れいむと子まりさはさらに付け上がり、下劣で 下品な笑みを浮かべながらちぇんを罵りゲラゲラと笑う。 一方のちぇんはというと。もはや足掻く気力も体力もないのかほとんど動かなくなっていた。 ……見ていてとても不愉快だし、何よりちぇんの体から流れ出したチョコの香りが尚に 気分を悪くする。 本当に死にかけているのだろう、ちぇんからはゆっくり特有の甘ったるい死臭が 漂いだしている。ゆっくりにとって死臭は「ゆっくりできない」ものであり、本能的に嫌悪する 香り。それは人にとっても匂いが強すぎる。甘党な人たちの間では人気の匂いらしいが、私には 合わないようだ…… 「…あー。こいつらをどうにかする前にちぇんの方をどうにかするか。ここで死なれたら 後処理が面倒だし、フランもこれ食べないでしょ?」 「うー。これじゃまだ甘さが足りないんだどー!もっともっと苦しめてからのやつじゃなきゃ おいしくないんだどー!!」 「なかなかにグルメ」 ぐにゃあ、と脱力したちぇんを潰さないように持ち上げるとゴミどもが抗議の声を上げ始める。 色々言っているようで中身は同じ話しかしないので要約するとこうだろうか。 「なぜちぇんをおうちに入れるのか」「自分たちの方が価値がある」「自分たちも中に入れろ」 「ちぇんじゃなくて自分たちを飼いゆにしろ」……と。 本当に面倒なゴミだな。もうフランに処理を任せてちぇんの治療に行こうと思ったのに。 私自らの手で殺してほしいってことかなぁ、嫌なんだけどなぁ。 「フラン、そいつらを適当な…あーいや、台所のシンクに投げておいてくれる?」 「うーっ!わかったどぉー!!」 「ゆぷぷっ!ふらん?にんげんしゃん…ばきゃなのぉ~!?ふらんはおしょらが明るいときは でてこにゃいんだよぉ!?」 「さわぐな。つぎさわいだら殺すど」 「…ゆっゆわぁぁあああ!!!!ふ、ふらんだっ「しね」っあ、ぎゃぁぁぁぁあああ!!!」 「れいむぅぅぅぅぅぅうううう!!!??!?」 ぎゃああああ…という断末魔を聞きつつ、急いで冷蔵庫を開けて甘いものを探す。 あいつらフランの忠告なんも聞いてなかったのかな。餡子脳すぎて聞いたそばから忘れたのかな。 どちらにしろ野良じゃすぐ淘汰されるだろうし、ここで私たちがどうこうしても変わらないよね。 「…にんげん、の…おにぇ…しゃん……」 「ん、話さないほうがいいよ。ちょこを出しすぎてるからね」 「………みて、た…」 「?見てた……?」 「…ずっと、みて………うぎゅっ」 「やべっ急げ急げ!死にかけがマジで死ぬ寸前までいってる!!」 ちぇんが言いかけていたことも気になるが聞き出すのはあとでいい。ゆっくりを治すには 甘いジュースが必要で、たしか瓶で買っておいたりんごジュースがあるはず……あった! 平皿の上にちぇんを寝かせ、少しずつジュースをかけていくと、まるで乾いた土に染みていくように みるみるジュースを吸収していく。 破れた皮が塞がり、傷ついた部分がみるみる消えていく様子はまさに生き物の神秘… というより、ゆっくりの神秘だろうか。ただ、すでに出てしまったチョコまでは再生できないのか 元より大分小さくなったちぇんがそこにいた。 一体なにをしたらこんなにも痛めつけられるはめになるんだか。 この子が何をしたのか、ゴミどもがなぜこんなことをしたのかもわからないが、 花壇と花の仇は必ず取ろう、と決意したお姉さんなのだった。 続く……?
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属性 火属性 最大Lv 99 初期HP 4506 最大HP 6519 レアリティ ★6 タイプ 魔族 初期攻撃力 1674 最大攻撃力 2425 初期防御力 1580 最大防御力 2275 初期スピード 1663 最大スピード 2431 +HP上限 3150 最大HP上限 9669 +攻撃力上限 1050 最大攻撃力上限 3475 +防御力上限 825 最大防御力上限 3100 +スピード上限 1155 最大スピード上限 3586 リーダースキル 魔王城の支配者 全てのユニットの攻撃力を30%アップ フォーススキル1 デモンズジルバ 火属性の全体攻撃。相手の防御力を無視してダメージを与える。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 ※ダメージ倍率は表示されていない ディレイターン 4 効果持続ターン - フォーススキル2 踊ってみせて? 味方全体の攻撃力をn%アップ。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 進化前 [千年姫]フランシール 40 52 通常進化 なし ディレイターン 5 効果持続ターン 3 幻獣契約1 [純血の薔薇]フランシール 契約素材 ? 幻獣契約2 [冥夜の女王]フランシール 契約素材 [徒花]アルラウネ(2)[歩む煉獄]グラディプス[樹海の精]ドリアード[大公爵]ダンタリオン 特殊能力 飛行 / [強]神キラー / [強]魔族キラー 入手方法 通常進化 備考 CV:石塚 穂真 → 桑原 由気※2017.5.11のメンテよりCV変更。_http //crw.lionsfilm.co.jp/gesoten/news/detail.php?id=426 k=1 ・2018/09/07アップデートにて契約2が追加。_http //crw.lionsfilm.co.jp/gesoten/news/detail.php?id=982 k=3 ・2021/01/11アップデートにて、契約2に潜在解放が追加。_http //crw.lionsfilm.co.jp/gesoten/news/detail.php?id=2314 k=2 +※ 潜在解放ツリー 【効果】(5) ━【効果】(5) ━【効果】(15)┣【効果】(5)┗【効果】(5) ━【効果】(15) ━【効果】(20) ━【効果】(30)+[覇者の宝珠]or[同一ユニット]【1】 ※()内は[精鋭の宝珠]必要数 潜在開放後ステータス +HP上昇量 -% 最大HP - フォーススキル1 スキル名 +攻撃力上昇量 -% 最大攻撃力 - スキル効果 +防御力上昇量 -% 最大防御力 - +スピード上昇量 -% 最大スピード - ディレイターン - 効果持続ターン - +HP上限 - 最大HP上限 - フォーススキル2 スキル名 +攻撃力上限 - 最大攻撃力上限 - スキル効果 +防御力上限 - 最大防御力上限 - +スピード上限 - 最大スピード上限 - ディレイターン - 効果持続ターン - リーダースキル スキル名 特殊能力 - スキル効果 コメント 名前
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